ろくに確認もせずに購入し、気に入らぬと即返品する。子供の習い事で代理コーチがついたからと即クレームを入れる。グルメサイトで理不尽な論評を書きまくる。
そんな「犯罪歴」は、生涯一人一人に紐付き共有される。ブロックチェーンの技術と思想は、そんな時代をもたらすであろう。
これまでは、アマゾンや食べログなどに見られるように、商品や店が矢面にさらされてきたが、これが個人に向いていくのである。
ここ十年で、ヤクザなど、いわゆる反社会的勢力が締め出され、クルマも買えない時代になった。これと同じ網が、クレーマーやモンスターといった厄介者に対しても掛けられることになるのは必至だ。
ひとたび厄介者フラグが立てられてしまうと、ネットショップは販売を拒み(あるいは、価格が吊り上げられ)、診察も拒否され、飲食店にも出禁になる。そんな時代もそう遠くはあるまい。
防犯カメラやドライブレコーダーの設置が犯罪抑止に効果を発揮しているように、サービスの提供者側にとっては、効果的な自衛策となろう。
一方で、個人に対する「評価」は、一人一人の人生において死活問題となってくる(むろん、高評価を得られている人には歓迎すべき時代になる)。
主張すべきことを主張するーーこれはだいじなことだが、度を過ぎるとクレームになり難癖になる。
旧時代の価値観に染まった家庭教育を施していると、その子供たちは苦しむことになる。なぜなら「低文化家庭」の出身者という烙印を押されることになるからだ。
そんな時代を迎えるにあたり、われわれ親たちが心がけるべきは平穏無事主義だ。
「波風を立てない」という一時は唾棄された生き方がいま復権しようとしている。いい時代になったものだ。