この1週間、私はドラクエに没入していた。妻子がいては集中できぬ。決然と家を出て、実家の座敷に陣取った。
布団と食料を運び込み、障子を締め切り、日がな一日、無言でゲームに興じる五十路息子。悋気にふれまいと息を殺す老父母の胸に何が去来しただろうか。
8月下旬から、活力の減退を自覚するようになった。
ナイスバディの嫁を前にしても劣情を催すこと乏しくなり、仕事に対する意欲もますます低下した。
暑気のせいもあるだろうが、それだけでないようだ。私は戦慄した。
こういうときはドラクエだ。急ぎプレステとソフトを買い求めて、今回の仕儀とあいなった。
そして昨夜、坊やが見守るなか、ラスボスを倒し、今日ようやく娑婆に出てきたのだ。
最も自殺が多いのは「49歳男」だという。まさに私の年齢だ。
死にたいなどとは微塵も思わないが、何事も成していない我が人生に焦燥感を覚える。
49歳で本能寺に散った信長は、すでに天下を手中におさめていた。上杉謙信にしても、義の男として、その名を天下に轟かせていた。
なのに、俺はなんだ。ただの暇人じゃねえか。
こんな自責自虐の念は、どうやら男性ホルモンの仕業らしい。テストステロンの分泌が減ると、いわゆる「男の更年期」を迎えるのだそうだ。
本書を読んで「俺はいよいよ更年期なのか」と衝撃を受けた。
注射一発で元気ハツラツになるとのことだが、まずは自力回春に期待ということで、ひさびさにジョギング。注射は絶対いやなのよw
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