22世紀に生きる君たちへ

「よばあたれ」といじめられた坂本竜馬、 「うつけ者」とバカにされた織田信長、 「姫若子」とよばれるほど内気だった長宗我部元親、 超KY大村益次郎、超どん臭い吉田松陰。 超発達児・偏発達児・臆病児が、英雄児だ。 英雄児育成の盛池塾。塾長・盛池雄峰のブログです。

2018年10月

「ダンナのことは好きだけど、息子には、ああなって欲しくない」こうのたまう母親は少なくない。
女性という生き物は、優良な遺伝子を残したいという本能を持っているーーそう学んだが、これはいったいどういうことか。
「旦那のことはべつに好きでもないけど、息子には旦那のような男になってもらいたい」
このほうが女性の本来のあり方に近いように思える。ちなみに我が嫁は、このタイプである。
さんざんお見合いを繰り返して、わたしをよしとしたのも、わたしという人物というより、元気で生命力のあるタネに惹かれたのであろう(家内本人もそんなことをいっているw)。
ちなみに夫婦仲がよいというわけではない。いわゆるラブラブ夫婦とは程遠い。
だが、男としては、ラブなどどうでもよい。ただし、リスペクトは不可欠だ。
リスペクトなき関係は屈辱でしかない。リスペクトは男が男として存立するための拠り所だからだ。
最愛の息子に父親のようになってもらいたいかどうか。これが、夫へのリスペクトの存否をはかる踏み絵となるのだろう。
そう考えると、世の中に「都合のいい女」というのが存在するように「都合のいい男」というのも存在するようである。
尽くしてくれる。こまめによく動いてくれる。そんな好都合な男は、このご時世引き合いも多かろう。
だが、ひとたび男児をなせば、状況は一変する。我が息子には「都合のいい男」になってもらいたくないからだ。
だが、息子が「都合のいい男」へと成長する可能性はかなり高い。それが遺伝をめぐる厳しい現実だ。
好都合を追求した挙げ句、究極の不都合に直面してしまう。問題の先送りはより大きな禍根を招く。
都合より本能。論理より直感。おのれの身体から聴こえてくる声をキャッチするほうが自然(じねん)の加護を受けられるように思う。

子供に医者にしたいのなら、親ができうることは2つだ。
1つは、これから親が医者になること。もう1つは、難病で不慮の死を遂げることだ。
むろん例外はある。だが、おのれの力量を超えた希望を子供に託すことは、今から猛勉強するか死ぬかくらい過酷なことであることを知っておきたい。その想像力がなければ、パワハラ育児につながることだろう。
だが、世の親は無邪気に高望みする。自分の血が流れていることを棚に上げて、教育という「呪術」に精を出す。
長年、知力についての遺伝の影響は「さほどない」とされてきたが、近年ようやく、「大いにある」と是正されてきた。
体格や運動センスについては明確で、東京オリンピックでの活躍が期待されるアスリートは軒並み元選手の子女であることからも明らかだ。
一方、知能系については、遺伝の影響はタブーとされてきた。
だが、先ごろノーベル賞を受賞した本所佑先生の親も医師であるように、遺伝(あるいは文化圏)の影響が絶大であることは明白だ。
しかるに、いまだに先天的要因(=遺伝)よりも後天的要因(=教育など)のほうに期待をかける人のほうが大多数だ。
世の中に学校及び教育関係者は多い。この現実は、社会の土台骨を揺るがしかねない。当面「ない」ことにされるのであろう。
こうした現実といつまでも夢を見ていたい親の心情があいまって、今日も子供たちは、親からゲームを禁止されながらも、親の無理ゲーを強いられている。

「別居」といえば、人聞きが悪いから「別宅」とでも呼ぶべきか。家内と同じ屋根の下で過ごすのは、週に2日か3日だ。
たとえば今日。わたしは八王子の家で日がな一日読書。家内と子供たちは、昨日から山梨の家で、我が両親や親類たちと過ごしている。平日は、これが逆になる。
私は自由業、家内は専業主婦なので、放っておくと四六時中いっしょにいることになりかねない。
上手にすれ違わなければ、いくら仲がよい夫婦でもストレスがたまる。時には、火花が散ることだろう(ましてや、うちなどなおさらだ)。
一部の人から「すれ違い夫婦は、子供にとって悲劇」「家族はつねにいっしょにいるもの」という批判を浴びることもある。だが、そう思っているのは、たいてい女性である。
夫のほうは「ああ、たまには、ひとりでいたいなあ」が本音なのであるが、口にできずにいる。彼らは、通勤の途上、つかの間の静寂を味わうことでよしとしているのだ。
女性諸君には、なかなか理解できないだろうが、男には「静寂」が必要なのである。
孤独な時間がなければ心は冷え、魂は枯れてしまう。ときには、ひとり静かな時間を持つことで、心身を回復させる必要がある。
そういう意味で、母親のこまごまとした世話は、少年にとって「騒音」でしかない。そして、ひっきりなしに騒音にさらされた子供は疲弊して、やがて活力を失っていくことになる。
何度も言うが、男には静寂が必要だ。すれ違いシステムは、そんな男を癒やしてくれる、家内安全方略なのである。上手にすれ違ってくれる家内に感謝したい。

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