○志賀高原
立ち小便 峠の月は 目の高さ   遊歩

○大夕張
立ち退きの 村に春雨 三輪車   遊歩

○大夕張
立ち小便 熊の気配に 怯えつつ  遊歩

○片品村
振ってやれ おらが祭りだ 選挙カー   遊歩

○伊勢志摩
色街を 颯爽少年剣士たち   遊歩

○国東半島
汗ぬぐい 見上げる岩の 仁王かな   遊歩

○沼田
熱燗や 猥談盗み 聞き酒場   遊歩

○柏崎
名月や トイレあるのに 立ち小便   遊歩

○石垣島
元日や 遊女の家は 営業中   遊歩

○鼠ヶ関
車中泊 漁り火眺めて カップ酒   遊歩

○阿仁
甘く見て 夏の濁流 肝冷やす   遊歩

○佐渡島
波洗う 賽の河原の 風車   遊歩

○日本海
前回も 月夜の航路 早十年   遊歩

○大阪
冷やかして 遊女の街の 金木犀   遊歩

○熊野古道
とっぷりと 提灯一つ 宿の婆   遊歩

○浜田
旅の人 駅に出迎え 里帰り   遊歩

○竹富島
三線の 調べ漂う 大晦日   遊歩

○佐原
早春の 田んぼの水路で 小鮒釣り    遊歩

○高田
夕立や 車の中の 昼寝かな   遊歩

○岩泉
竿たたみ イワナの沢の 握り飯   遊歩

○高田
まだいたか 我が身重ねる 夏燕   遊歩

○高田
夜桜や 熱き甘酒 ありがたや   遊歩

○新発田
今はなき 駅を訪ねて 夏の草   遊歩

○宗谷本線
満月や 夜汽車の上を 右左   遊歩

○鼠ヶ関
夜道来て 今宵の宿は 道の駅   遊歩

○飛騨古川
山越えて 思いもかけぬ 春祭り   遊歩

○笹川流れ
羽越線 貨物に追いつき 追い越され   遊歩

○山陰本線
田畑から 迎え火たなびく 車窓かな    遊歩

○香住
湯宿から 貨物列車と 缶ビール    遊歩

○高田
飽きぬのは 雁木通りの 燕かな   遊歩

○根室
手酌して 腸から食べる サンマかな    遊歩

○枕崎
酒場出て 月夜の港 千鳥足    遊歩

○大分
迫る山 間に清流 血の記憶   遊歩

○稚内
最果ての 町の居酒屋 ホッケ焼き   遊歩

○阿蘇
ただ一人 乗せたる汽車に 初夏の風   遊歩

○志賀高原
登るほど 冴えが増す増す 下弦月   遊歩

○上越
夜聞きに 蛙の合唱 春の雨   遊歩

○大阪駅
ほろ酔いで 列車見送る 春の駅   遊歩

○上野原
往来に 人の声せぬ 炎天下    遊歩

○上野原
用もなく 秋雨寒く 寝入る朝    遊歩

○神楽坂
縄のれん 二つ三つの禿げ頭    遊歩

○夕張
炭鉱(ヤマ)の村 山の蜩 迫る闇   遊歩

○京都
もうこない あの日の京都 梅祭り   遊歩

○高田
ままならぬ 浅い眠りに 寺の鐘   遊歩

○上野原
時刻表 地図で一献 夜長かな   遊歩

○大館
山の端を 照らす月光 夏夜かな   遊歩

○靖国神社
土俵入り 奉納相撲 花吹雪   遊歩

○神楽坂
降らぬなら 満月の夜 手におちょこ   遊歩

○神楽坂
降るもよし 降らぬはなおよし 夜道かな   遊歩

○神楽坂
ひとり酔い 丑三つ時の 夜風かな   遊歩

○高尾
雨上がり 足下かすめる ツバメかな   遊歩

○高尾
よく肥えた ツバメ見送る 雷雨かな   遊歩

○高尾
いざ旅へ 梅雨を見送る ツバメかな    遊歩

○高尾
駆け上がる ツバメの向こうの 積乱雲   遊歩

○高尾
はいビール 見上げた空に 蛍かな   遊歩

○高尾
かじか去り 闇夜の中の がまがえる   遊歩